大村の中心部・下波止。
駅から続くアーケードを抜けた先に、温かな人の流れが残るこの街には、世代を超えて語らいが生まれるスナック文化が根付いています。
その一角で、不動産オーナーとして街と人をつなぐ役割を担っているのが芦塚さんです。
芦塚さんが大切にしているのは、単に空間を貸すことではありません。
この町で新しく挑戦を始める人たちにとっての「受け皿」となり、安心してスタートできるよう支えること。
ー「新しく大村にやってきて何かを始める人たちは、人とのつながりが何もない状態です。だからこそ、私たちが“応援体制”でいることが大事なんです。」
芦塚さんの言葉には、挑戦する人を孤立させず、地域全体で支えるという温かい想いが込められています。

今回募集している物件は、以前はBARとして使われていた店舗。
カウンター6席に、10名ほどが座れるソファ席。
店全体が見渡せる一体感のある空間は、訪れる人の距離を自然に近づけてくれます。
酒店も営む芦塚さんは、お酒の仕入れや内装の相談など、開業に向けた具体的なサポートも惜しみません。
地域での人とのつながりも紹介しながら、挑戦者の背中を静かに押してくれます。


芦塚さんにとって、空間を提供することは「不動産を貸す」ことにとどまりません。
それは、地域に新しい循環を生み出す行為でもあります。
ー「この街で人が挑戦し、交流が生まれることが何より嬉しい。」
挑戦者の存在が街に刺激を与え、少しずつ活気を取り戻す。
その中心に、芦塚さんは立っています。
下波止の一角から、今日もまた新しい物語が生まれようとしています。(取材:成田ひかる)
